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野火 プロット 日本 07月25日 2015 台灣上映
鍵(1959) プロット 日本 06月23日 1959 台灣上映
ワーロック(1959) プロット アメリカ 07月01日 1959 台灣上映
風花(1959) プロット 日本 01月03日 1959 台灣上映
細雪(1959) プロット 日本 01月14日 1959 台灣上映
氾濫(1959) プロット 日本 05月13日 1959 台灣上映
野火(1959)評論(9)
絶対に必要な反戦作品。戦争の悲惨さがこれでもかというほど詰まっている。こんな悲惨な歴史が現実にあったと思うとゾッとした。もう絶対に繰り返してはいけない歴史だと改めて感じさせられた。
やはり原作が素晴らしいのか、メッセージ性はもちろんのことストーリー性も素晴らしくて内容に引き込まれる。特に登場人物達の人物像の設定が秀逸で、それぞれの個性の違いが見事で素晴らしかった。話の流れは塚本版とほぼ変わらないがオチが違って驚いた。どちらも素晴らしい終わり方だが、どちらかというとこちらの市川版の終わり方の方が好み。
船越英二やミッキー・カーチスをはじめとする役者陣の名演技も印象的で、メッセージ性、ストーリー性、演技、全てが高水準の反戦作品だった。
結核のため隊から戦力外通告を受けるが、物資・食料不足により病院から入院も断られる主人公田村。戦うでもなく、療養するでもなく彷徨います。
芋が手元にあるうちは、兵士らしく最期を遂げようと決めているのですが、もはやそういった戦局でもないようで。降参しても命の保証はなく、本能的に生きる道を探します。
侮蔑的な意味ではなく、疲弊した兵士達が、生を求めるでも死を求めるでもないゾンビのように見えました。砲撃下で死んだフリをして、そのまま死ぬ者と、起き上がる者とで生死が分かれるシーンが非常に印象的でした。
民間人をやむなく射殺した後に銃を捨てることや、最後の選択から、田村は驚くほど最期まで理性を保ちます。
人らしく生きれるか、人らしく死ねるか、極限状態での人間の尊厳を問うています。
塚本晋也監督バージョンを劇場で観たので、市川崑監督の方も気になってレンタルして観た。
死体などの残酷な描写はメイク技術が進んでいる分塚本バージョンの方が凄惨でしたね。
米兵の描写も塚本晋也の方は姿をほとんど見せず、見えないところから攻撃してきたのに比べると市川崑の方は比較的姿が見える。戦車も出てきたし。塚本晋也の方がコストをカットしつつ、不気味さもより演出されていて、うまいなと思った。
あとラストもちょっと違うんですね。
この2作を比べると塚本晋也バージョンの方がより戦場の凄惨さを表現できていたような気がする。