宗教家の大川隆法による原作・製作総指揮で、2018年に公開された「さらば青春、されど青春。」をキャストやキャラクターを一新してリメイク。幼いころから勉学に励み、東京の有名大学に進学した一条悟だったが、恋愛や就職活動など、思うようにいかないことが多かった。そんなある時、突然、霊的な存在とのコンタクトが可能になった悟は、大手商社に就職し、異例のスピード出世を果たす。恋愛も順調になり、公私ともに順風満帆の人生を歩む悟だったが、次第に「自分の思想を世の中に説く」という使命感に目覚めていく。しかし、そのためにはこれまで築いた社会的地位も大切な人と過ごす未来の生活も捨てなければならない。将来の幸せか、自身の使命に従うかで迷う悟は、ある決断を下す。前作にも出演した千眼美子が再びヒロインを演じる。
夜明けを信じて。評論(6)
一途に生きたいと思った。
こういう人が信用できる人だと思う。
これからの時代に観ておく必要がある映画だと思う。
人生の深みが感じられる。
感性がマヒした人には、つまらない映画と思われる可能性があるだろうが、今一度、人間とは何かを考えるには、価値ある映画であろう。
この映画の評価は、30年後ぐらいに本物がでてくるのではないか?
少々、次元の異なる映画、というか、人生劇場といった感がある
恐らく主役は、無名で実績もない役者だろうが、直向きに、誠実に向き合った軌跡が見られ、映画全体の雰囲気を高めている。登場人物は多いが、全体的に丁寧なつくりで、安定感がある。
モノローグの多用とCG技術、映画のトーンと合わないインサートカットは気になるものの、多用されるフォークソングは時代性もあってか馴染んでいた。劇伴も幅の広さが見られる。
他の演者の演技も自然で、感情の機微も上手く描けている。ラストのヒロインの涙は、日本映画の中でも秀逸だろう。
宗教家になるという現象にフォーカスせず、主人公の内面や人柄を複数人の視点から描くことにより、胡散臭い宗教映画を回避している。こういう映画が布教されるなら理解者もふえるだろう。