「れいこいるか」のいまおかしんじ監督が、高校生の男女のわずか数キロの小さな旅を描いた青春ドラマ。中学時代のクラスメイトの葬儀に参加した高校2年生の舞と智樹。互いに気がありながら、その思いを伝えられず別々の高校へ進学していた2人は、東京都杉並区永福町の幸福橋から高井戸方面へ、神田川沿いを自転車を押しながら歩いていた。その途中、上下オレンジ色のスウェットに両手首を縄で縛られて倒れている謎の男に遭遇したことをきっかけに、下高井戸八幡神社へ向かうことになった2人。神社では、亡くなったクラスメイトが思いを寄せている、みおという女性との恋愛成就の絵馬を発見し、その思いを伝えるため、みおが働く井の頭恩賜公園のボート乗り場へと歩みを進めていく。舞役を「スパゲティコード・ラブ」の上大迫祐希、智樹役を「アルプススタンドのはしの方」の平井亜門が演じる。
神田川のふたり評論(7)
中学の頃の旧友の突然死、その葬儀の帰り道のお話。
序盤40分はワンショットの長回し、
少し退屈?
と思いきやコンビニ?透明?
黒子出てきた?
え、オレンジのおじさんこわ、やばくない?笑っていいの?どっち?きもちわる…
え、消え方シュール、、
終盤、なんだこれ?なんだこれ?なんだこれ?
最後どうなったと思います?
…泣いた。
とにかくヘンな作品。
好き嫌いばっちり分かれると思う。
わたしはラストでぜんぶ許せたけど。
きっと、実はマイもトモキも神田とけっこう仲よしだったんだろうな。葬儀の帰り道、ふたりが神田のことを話しはじめたからうれしくなって、ふたりを応援しようと八幡さんにも協力してもらって、きっといろいろいたずらしたんだろう。
最後のみんながお花持って現れるのはやりすぎな気もしたけど、あれも神田が見せた幻視なのかな?
ラストは、神田くん?
中学時代のクラスメイトの葬儀で再会した高校2年生の舞と智樹。別々の高校へ進学した二人は会うことが少なくなったようだ。
東京都杉並区永福町の幸福橋から高井戸方面へ、神田川沿いを自転車で流す二人をとらえたカメラの超長回しに度肝を抜かれる。
そして下高井戸八幡神社、井の頭公園に至る二人の小さな小さな旅。ぼんやりとしていた「恋」の輪郭がくっきり見えた気がした。
女の子の友人の策略で女の子が想いを寄せていた男の子と2人自転車で一緒に帰ることになってという流れですね。
昔のことや今のこと、そして将来のことや日常のことを、ぎりぎりイチャイチャな距離感でみせていくけれど、コンビニの件でアレ!?
スタートから40分ワンショットなんですね。
さわやか恋愛物語なのは判ったけれど、途中から画角弄りまくりで何の為のワンショット?そうすることによって安っぽさや設定のぐちゃぐちゃさをごまかした?
臨場感がどうこういうつくりじゃないし、爽やかさ?初々しさ?
特に前半縛られたオッサンあたりからグズグズで、以降何をみせたいんだ?となってしまった。
キュートでファニー。一見すると、低予算な感じは否めず、なんだか不思議だなぁ…と思って観ていたけど、その分仕草が恋しくて恋しくて…。40分ワンカットで生まれる独特の空気感、低予算を引き連れてグイグイと引っ張ってくる圧巻の演出力、そしてキュンとするシーンが引っ張るラスト…。どこを取っても今は愛おしい。
井の頭公園を始めとした都会のロケーションには生活感が漂っていて、撮影を知らない人たちがマスクをして通っていく。自転車で通るには狭い道も多いし、公園の空気感もほんのり温かい。リアリティがあってくすぐったいし、微笑ましい。そして、そこに入ってくる友達の死が、悲しくも前に進ませる。実に単純な世界の中、差し込む光が胸を躍らせる。
主演は、インディーズ界の金子大地こと(?)平井亜門くんと、最優秀上京ガールが似合う女優・上大迫祐希さんのW主演。これが自分の中でも大きな加点だが、そのふたりがありのまま演じきっている辺りがまた楽しい。噛んでも、言い回しが上手く出来なくなっても、それが作品を引き付けてくれる。無垢さが際立ち、ファニーなギアも引き受けやすい。その不思議さが程良い余韻に変わる。
いまおかしんじ監督の作品を観たのは初めてだったが、ここまで器用だとは。傑作名高い、『れいこいるか』も観てみたい!