カートヴォネガットの小説「チャンピオンたちの朝食」には作者自身が書いたイラストがちりばめられている。主人公のキルゴアトラウトが、車窓から眺めた看板にこんなことが書かれていた。
『It is HARDER to be UNHAPPY when you are eating.:CRAIGS ICE CREAM』
(食べているときはなかなか不幸な気分になれません:クレイグズアイスクリーム)
サラマクラクランにアイスクリームという曲があって、みじかいバラードだが妙に耳残りしている。
Your love is better than ice creamなんて取りたてていうほどの心象でもないなあ、と思いつつLong Way Downの反復を自然に口ずさんでしまう。
眠れぬ夜のために評論(5)
眠れないときに見ていたらすぐ眠くなって、3日くらい掛けて見た。ミッシェル・ファイファーが美しかった。途中で眠って中断したので、前後の脈絡が分からなかった。
おじいさんに、好きな車に乗って行けと言われるのがうらやましい。一度言われてみたい。
国際的な組織に追われるジェフゴールドブラムとミシェルファイファー。
なんとか逃げ延びて、途上でダイナーに立ち寄る。そこでアイスな、クリームな感じのスイーツを食べる。ミシェルファイファーが「ふたつ食べるわ」と言ったのを覚えている。
カートヴォネガットの小説「チャンピオンたちの朝食」には作者自身が書いたイラストがちりばめられている。主人公のキルゴアトラウトが、車窓から眺めた看板にこんなことが書かれていた。
『It is HARDER to be UNHAPPY when you are eating.:CRAIGS ICE CREAM』
(食べているときはなかなか不幸な気分になれません:クレイグズアイスクリーム)
サラマクラクランにアイスクリームという曲があって、みじかいバラードだが妙に耳残りしている。
Your love is better than ice creamなんて取りたてていうほどの心象でもないなあ、と思いつつLong Way Downの反復を自然に口ずさんでしまう。
映画と小説と曲、三者には何の関連性もないが、アイスクリームを介して、記憶のなかでひとつになった。
人の世では、アイスクリームを食べることには蠱惑と禁忌がともなう。
それは、食べすぎてはいけないし、体調や体型に憂慮するところがあれば、罪悪感もある。ハーゲンダッツならば嗜好品でもあり、大人買いには、うしろめたさもある。
今日帰ったらアイスクリームを食べよう──と考える一方で、今日は食べるのを我慢しよう──と考える気持ちもある。
しかし長い一日から帰宅して、冷凍庫を開け、パイントをつかんで居間のソファにどかっを腰を下ろしたら、もうおしまいだ。
食べているときはなかなか不幸な気分になれない。
それもさることながら、日常、冷凍庫のなかの存在を忘れていて、フッと何かの拍子に思い出すことがある。
「そういやハーゲンダッツ買ってあったぞ」と。
それがなにかむしょうに幸せな瞬間だったりする。
この映画の「ふたつ食べるわ」を、自らの甘党に絡めて憶えている──という話。
と同時に、当時、中学生か高校生だったわたしは、素っ裸のミシェルファイファーと、彼女が膣に懐中しているシーンを微熱のように憶えている。デヴィッドボウイの使い方もさりげなく、ロジュバディムやイレーネパパス、ジョナサンデミなど、多数の内幕の大物たちのカメオがあった。また偶然であろうが、この邦題はとてもいい。
過剰とばかばかしさとスッとぼけたゴールドブラムが楽しくてずっと記憶にのこっている。
駐車場で突然、悪漢に追われた美女(ミシェル・ファイファー)がやってきて、助けてくれという。
この美女、エメラルドの密輸に絡んでおり、悪漢はイラン人らしい。
さらにギャングも加わり逃げ回るが・・・。
ミシェル・ファイファーが可愛さ絶頂期だ。
M・ファイファーの美しさだけが救い。セクシーショットもあります。+0.1点(笑)
『トワイライト・ゾーン』の翌年に撮った作品。ビック・モローが撮影中に事故で亡くなったためにそのトラウマがあったためか、映画の仕上がり自体が雑なものになっている。大勢のカメオという遊び心もトラウマから脱したからなのだろうか・・・監督本人もイラン人として出演しているし。
音楽はBBキングの渋いギターが随所で聴くことができる。