大映が手がけた特撮映画「大怪獣ガメラ」を復活させた「平成ガメラ」3部作の第1作で、宇宙の守護神ガメラと超遺伝子獣ギャオスの戦いを描いた特撮怪獣映画。太平洋上で巨大漂流環礁が発見された。同じ頃、九州の姫神島で住民が消失する事件が発生。住民は消える直前の無線で、鳥の存在を訴えていた。調査のため島を訪れた鳥類学者・長峰の前に、巨大な怪鳥が姿を現す。一方、海上保安庁の米森と保険会社の草薙は、環礁上で発見された石版の碑文を解読。その結果、環礁はガメラ、怪鳥はギャオスという古代怪獣であることが判明する。全国民が震撼する中、2大怪獣の戦いは九州から東京へと舞台を移し、壮絶な空中バトルが幕を開ける。出演は伊原剛志、「フィスト・オブ・レジェンド」の中山忍、本作が映画初出演の藤谷文子。金子修介監督がメガホンをとり、樋口真嗣が特技監督を務めた。「大怪獣ガメラ」の55周年を記念したプロジェクトの一環で平成ガメラシリーズの4Kデジタル修復版のブルーレイが2021年1月29日に発売。これを記念して20年11月27日から、全国7館のドルビーシネマにて本作「ガメラ
大怪獣空中決戦」が期間限定上映。
ガメラ 大怪獣空中決戦評論(20)
「シン・ゴジラ」が余りに
面白かったので特撮について調べていると、
「特撮の傑作はむしろ『平成ガメラ』だ!」という
声を聞いて気になったので鑑賞。
ガメラは今まで見たことがなく、
人類の敵だとばかり思っていたら
まさかの味方で驚いた。
現代の環境汚染が
ギャオスを覚醒させたという設定が素晴らしい。
単なるエンターテイメントに留まらず
色々考えさせてくれるあたり、
やはり特撮には初代「ゴジラ」の
血が流れているのだろうか。
破壊された東京タワーに
居座るギャオスがめちゃくちゃカッコよかった。
夕日も相まってホントにカッコいい画になっている。
あの荘厳で不気味な佇まいがたまらない。
しかし昔の特撮には必ずと言っていいほど
大根役者が紛れ込んでいる。
逃げまどう民衆はいいとしても、
メインのキャストが大根だと
シリアスなシーンで冷めてしまう。
お約束な気もするが、なんとかならんのか…
当時は怪獣が出てくるシーンが一番楽しかったが、大人になってからみると当時わからなかったニュース番組のリアリティや自衛隊の描き方など、怪獣という非日常を現実と上手く融合させていたんだなと実感した。
一番のお気に入りのシーンは最後の決闘シーンである。ここでガメラがギャオスにプラズマ火球を炸裂させるシーンの演出が超かっこいい。
大人も子どもも楽しめる最高の怪獣映画だと思う。
あとやっぱり、ガメラはかわいい。
ガメラシリーズ第9作。
平成ガメラ三部作第1部。
ガメラ生誕30周年記念作品。
塚口サンサン劇場で開催された「平成ガメラ三部作 重低音ウーハー一挙上映会」で初スクリーン鑑賞。
監督・金子修介、特撮監督・樋口真嗣、脚本・伊藤和典―伝説のトリオが生み出した、特撮怪獣映画の画期的名作!
日本VFX界に革命をもたらしたと称賛され、今なお色褪せぬクォリティーを誇っている紛れも無いマスターピース!
「キネマ旬報ベストテン」にランクインした初めての怪獣映画でした(1995年度第6位)。後に「シン・ゴジラ」がランクインするまで唯一無二の存在でした。2009年に行われた同誌の“日本映画オールタイム・ベスト100”という企画でも見事にランクイン。他にも星雲賞や日本アカデミー賞、ブルーリボン賞などの著名な各映画賞でも多数受賞…すごい!
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初鑑賞は3歳のときでした。「レギオン襲来」公開を記念した「金曜ロードショー」での地上波初放送を両親が録画してくれていました(もちろん水野晴郎の解説付き!)。当時「ゴジラVSスペースゴジラ」を観たばかり。怪獣の魅力に取り憑かれた時期でした。絶好のタイミングで観せてくれたので、両親には感謝してもし切れません…。
―と、ここまで書いていてふと思ったのですが、1996年の時点で本作を録画していたとすると、もしかして私の怪獣映画原体験は本作なのではないかという疑惑が生じて来ました(「ゴジラVSスペースゴジラ」の地上波初放送は1997年。「ゴールデン洋画劇場」にて)。
「ゴジラVSスペースゴジラ」を観るまで本作を私に観せていなかった、というのは両親の性格的にちょっと理解できないなぁ、と…。当時の記憶は殆どありませんので今となっては真相は藪の中ですが…。どっちにしても特撮怪獣映画の英才教育に違いはありませんが(笑)
少々余談が過ぎました(笑)
録画したビデオを観倒しました。それでも飽き足らず、大人になってからデジタル・リマスター版DVDを購入し、何度も鑑賞しました。そして今回、初めてスクリーンで鑑賞! 迫力倍増! 感動は一入! しかもほぼ満席…。上映後には全員で拍手しました。オタクの一体感の素晴らしさ…(笑)
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実際に怪獣が出現した場合、政府や自衛隊はどう行動するのか? 一般市民はそれに対してどう反応するのか? ―とてもリアルにシミュレートされているなと思いました。
日本テレビが製作委員会に名を連ねていることもあり、当時放送されていた報道番組が劇中に登場しました。これまでの特撮作品でもニュース番組のシーンはありましたが、本物の番組が登場するというのはかつて無かったように思いました。それがより緊迫感を高め、現実味を帯びたストーリーの一助となっているなぁ、と…。アナウンサーの顔触れが懐かしい…(笑)
「シン・ゴジラ」は本作の系譜を引き継いでいると言っても過言ではありません。現実世界に則したリアリティーも去ることながら、樋口真嗣特技監督を初めとしたスタッフも殆どが共通しているので、両作の繋がりは深いなと思いました。
特撮面では、全て野外にセットを組んで自然光の元撮影されていて、ミニチュアの街並みがまるで本物であるかのようにリアルでした。ひとつひとつのつくり込みも細かいので余計そういう風に見えました。ゴジラ映画では体験したことの無い本物感がそこにありました…。
東京タワーを81式短SAMが誤射するシーンでは、誘導弾のカメラの目線で着弾を表現しており、これもリアリティーの一環だなと感じました。東京タワー倒壊の絶望感たるや…!(笑)
ギャオスが圧し折れた東京タワーに巣をつくり、夕日をバックに鳴くシーンは特撮映画史上屈指の名場面。目の前に怪獣が存在しているという“非日常”が現出していることを印象付けられる不気味さが秀逸でした。
東京全域を舞台に繰り広げられるガメラとギャオスの激闘が圧巻の一言。今観ると合成に難ありですが、それを差し引いてもスピード感があるし、ここまで大規模に描かれた空中決戦はこれまで無かったし、本作以降の作品に大きな影響を与えていることはもはや誰の目にも明らか…。
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ガメラは亀をモチーフとした怪獣ですが、劇中では全く“亀”という言葉が出て来ません。初めて人々の前に現れた際も“海の怪獣”と呼ばれていました。
ガメラが“怪獣”であるということにリアリティーを持たせるため、本作の世界観では亀は大昔に絶滅しているという設定になっているのです。凝ってますなぁ…。
昭和シリーズの伝統―ガメラは子供の味方―もきっちり継承。加えて、ガメラから採取した勾玉を偶然手にした少女が、巫女的な役割を担わされてしまうという設定まで登場し、ドラマを盛り上げていました。
そして本作の対戦相手、ギャオス―。
シリーズ第3作「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」で初登場し、第5作「ガメラ対大悪獣ギロン」にも登場しました。そんな人気怪獣がより凶悪な生物感を増して大復活!
いろいろと文献を読むと、生物の進化の過程を踏まえた上で理論的に形状がつくられていることに驚嘆しました。遺伝子構造や繁殖方法などの設定がリアルかつ生々しく、まさに恐怖の対象としての造形が出来上がっているなと感じました。
古代アトランティス文明が、自らつくり出したギャオスによって滅びそうになったとき、慌てふためいてガメラを生み出すも結局は滅びてしまう…。まさに自業自得ですが、決して他人事ではないなと思いました。劇中でも長峰真弓(中山忍)が言及していた通り、環境破壊を続けて地球を壊すことを止めなければ、やがて大いなるしっぺ返しが起きそうで怖い…。
【余談】
佐藤二朗、見ぃ~っけ!(笑)
※追記(2019/05/02)
令和最初の怪獣映画鑑賞!
サンテレビ「シネマスタジアム」で放送されていましたが、そんなときに限って仕事が片付かず、帰宅したのは放送終了後…。悔しくて悔しくて、でも体は本作を観たいモードになっていたので、DVDで鑑賞することに…。
やっぱり抜群に面白かったです! 時代を越えてもなお色褪せることが無い…。まさに名作の証ですなぁ…。これからも大事に大事に観続けていくぞぉ~!
―余談として今更ながら感じたことを少々…。ギャオス捕獲作戦が福岡ドームを舞台に行われましたが、よくよく考えると人を食う鳥を市街地に連れて来ることを何の躊躇いも無く許容できたもんだなぁ、と…(笑) あくまでも保護対象の希少な野鳥という解釈だからでしょうか?(笑)
※追記(2019/10/06)
画質が格段に向上。音も補正されていて、DVDでは分からなかった声が聴こえて来ました。素晴らしい…!
※鑑賞記録
2019/05/02:デジタル・リマスター版DVD
2019/10/06:4Kデジタル復元版Blu-ray
2020/02/12:4Kデジタル復元版Blu-ray
2020/07/03:Amazonプライム・ビデオ
小学生の頃の嫌な想い出が甦る。
一つ歳下の友人達と母とで一緒に見に行ったが開幕すると
歳下の子達は椅子の上でぽんぽん跳び跳ねて遊び始めた。
注意しても「ガメラ出ないからつまんない、説明ばっかで早く出ない」と・・・
当時は早熟だったせいか「コイツ等がガキなだけ」と思っていた。
だが、「子供向け作品における緻密な脚本」の限界という
のもあるのかも知れない。
個人的には当時は大変満足したが子供のツボというのは
本当に難しい。
かのラピュタでさえ映画興業成績は低かった事を思い出す。
あれを今大絶賛しているのは大人達である。
私が小学生の頃は既に評価が定着していたもののなぜ面白いのか?
を的確に説明出来る子は余り居なかったと思う。
多分、雰囲気を楽しんでいただけなのだろう。
中山忍の肌の荒れやお化粧のノリまで分かるくらいにキレイなドルビーシネマで観たけれど、この解像度でミニチュア特撮を観るのは如何なものだろう?
センスオブワンダーを体現したような画作りは良いが、なかなかツラいものはある…
一方で、人間ドラマ部分がイマイチ的な評も見たけれど、ギャレゴジのグダグタな家族ドラマと比べれば全然良くまとまってたのでは!?
結果、退屈しないで観られました。
ビデオで観た時よりも印象は良い。悪くなかったよね…