「鉄西区」「無言歌」「三姉妹
雲南の子」のワン・ビン監督が中国史の闇といわれている「反右派闘争」に迫った、8時間を超えるドキュメンタリー大作。1950年代後半、中国共産党によって突然「反動的な右派」と名指しされた55万人もの人が理由もわからずに収容所へ送られた「反右派闘争」。収容所は世界的な大飢饉も重なり、大量の餓死者が続出する地獄のような状況と化した。生存率10%とも言われた収容所から生き延びた人びとが、半世紀以上の時を経てカメラの前で語る体験の数々。2005年から17年にかけて撮影された、120人の証言者の600時間にも及ぶ映像素材を8時間にわたるドキュメンタリー作品として完成させた。山形国際ドキュメンタリー映画祭2019のインターナショナル・コンペティション部門で上映され、ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)と市民賞(観客賞)をダブル受賞した。
死霊魂評論(2)
話す人が終わるたびに、亡くなった事が表示されると切ないですね。
アメリカや中国、もしかしたら日本も、当時の中国のような誤った政策で
とんでもない方向に行かない事を祈っています。
うまさとか、巧みといったものとは無縁であり、映像や音声も粗々しい・・・故に、やはり苦しくて痛くてつらいのです。
1部・3時間近くやって休憩20分、2部・2時間半ぐらいやって休憩20分、3部・3時間ぐらいやって終了、という上映形態。1席とばしの場内は満席、前売りも無いみたいだし、皆さんある意味怖いもの見たさなのでしょうか・・・。
タイトルのインパクトとは程遠い映像かなーとは思ったけれど、内容自体はその名の通りのもの─、と思いながらの3部ではその映像に魂を抜かれるような思いになりました。
なんで流しっぱなしのような映像ばかりなのかと何度も思いましたが、加工しないことによる生々しさというのが想像以上で、記録することの意義というか、ドキュメンタリーの本質みたいなものを見せつけられたような気がします。
人それぞれに話す姿や仕草、スピードや内容といったものがまるで違っていて、それらをじっくりと見ていると、話す内容や感情に加えて、その人の考えや話しの裏なんかも見えてきて、非常に興味深いものがありました。
鑑賞するのには、かなりの時間と労力を要しますが、吸収できることは必ずあると思います。ぜひチャレンジしてみては─。