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居酒屋兆治評論(15)
劇場公開日 1983年11月12日
1983年製作/125分/日本
原題:Love
配給:東宝
降旗康男(監督)49才
山口瞳(原作)57才
高倉健52才
大原麗子37才
田中邦衛51才
伊丹十三50才
ちあきなおみ35才
高倉健は函館で居酒屋をやっている。
プロ野球の村田兆治投手に憧れていたので屋号は兆治。
田中邦衛は同級生。
伊丹十三は学校の先輩。
大原麗子は高倉健の幼馴染みで恋人。
大きな牧場に嫁いだのだが、高倉健への未練を捨てきれないで家出をして自暴自棄な生活をすることになる
。
高倉健には今は妻(加藤登紀子)がいてどうすることもできないでいる。
いつものように寡黙で不器用な男を演じている。
125分と長めの映画だが、
見終わってから考えた。
この映画が伝えたいものは何なのか?
登場人物の多くが何かしら人生で上手くいかないことあって、
もどかしい思いで日常を過ごしているということなのか。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
映画「居酒屋兆治」(降旗康男監督)から。
劇場公開日(1983年11月12日)30年以上前の作品だけど、
主演の高倉健さんだけではなく、私の大好きだった、
故・大原麗子さんの顔を観るだけでも嬉しかった。(汗)
内容は、現在の2時間テレビドラマって感じだけれど、
画面に登場するお店の風景、看板などは面白い。
まず何度も登場するアルコールは、ウィスキー。(通称・ダルマ)
「ウィスキー飲み放題」という看板を見つけ笑い、
さらに、素敵な大原麗子さんが、ストレートでガブ飲みをする。
焼き鳥屋のメニュー「奈んこつ80」も、笑えた。
「軟骨(なんこつ)1本80円」なんだろうけれど、洒落ている。
そして極めつけは、下着姿で大騒ぎする「高級キャバレー」。
お店の外には「サロンB館 ロンドンキャバレー」の文字。
何もかもがレトロで、こんな時代があったんだなぁ、と思わせた。
映画って、当時の文化を映像で残しているとも言えるな。
わざと古い映画、探して観てみようかな。
毎週末どころか、気がつくと週五で通っていたりします
そんなお店はチェーン店ではなく、兆治みたいなカウンターだけのこじんまりした、というより狭苦しいお店です
気のいい大将と女将さん、いつも同じ顔ぶれの常連さん
テレビを観ながら四方山話を隣あった人や大将や女将さんと会話する
時にはお店全体で一つの話題で盛り上がったりする
それだけで孤独は癒やされ、疲れは吹き飛ぶものです
どこにでもありそうで、兆治のようなお店はどこにも無いものです
単身赴任先で通った店は正に兆治のような店でした
単身赴任が終わって家族の元に返っても、やっぱりその雰囲気が恋しくて地元で探したりしましたが、散々探しても見つからないものなのです
高倉健52歳、大原麗子37歳、加藤登紀子40歳
役での年齢は藤野英治がおそらく42歳くらい、さよも茂子も40歳くらいの設定だろうか
英治とさよが別れたのは15年前くらいだろうか
愛しているから別れる
幸せになって欲しいから身を引く
刑事の言うように馬鹿げているかもしれない
でもその時はそれが正しいと信じていたし、それからもそれで良かったのだと信じてきた
でもそれがどれほど残酷なことか
相手の心の奥底までを傷つけていたことか
自分もまた傷ついてはいても、比較にならないほどの地獄に彼女を追いやっていたかも知れないことを全く分かっていなかった
真夜中の無言電話は彼女の悲鳴だったのだ
肩を壊して行けなかった甲子園
有るべき未来、そうなるはずだった将来の夢
肩を壊してもあきらめ切れない野球少年
あきらめ切れない結婚の夢を追いかけて続ける女
誰もが願いが遂げられることはない
それが運不運、巡り合わせが妨げてならまだいい
なんだか本人にもわからない、後になってみれば何故自分でもそうしたのか、今なら間違いだったと分かる決断が理由だったならばどうだろう
いつまでも心の奥底で痛み続けて失血し続けていくに違いない
それは5年経とうと、10年経とうと、15年でも、30年でも消えない後悔になってしまう
ふとした時に思い出して心が痛む
最後には血を吐いて死んでしまうのかも知れない
そんな悲劇は、もし時間を遡ることができるならば、間違いを正すこともできるかも知れない
しかし何十年の年月が経って、今の自分には家族がいる
かわいい小さな子供達、飯を作って待ってる女房がいるのだ
終盤の加藤登紀子の女房の台詞
夢を追いかけて行ってしまう人を止めることはできないわ
私、あんたも行ってしまうかと思ってた
彼女の不安と、旦那が自分のところに戻ってきた安堵
私、居酒屋の女房で悔いは無いわ
薄々感じていたことを全てを知っても亭主の過去を飲み込むその姿
このシーンのセリフに涙がこぼれました
そして二人はこれまでと何も変わらず暮らしていくのです
未だに捨てられずに持っていた、さよとの写真を遂に英治はやっと燃やす事ができたのです
心のなかに仕舞いこんで隠し持っていた、さよへの想いにやっと葬式を出せたのです
灰皿の中の火葬をしているときに、電話がなります
無論間違い電話です
直ぐに鳴り止みます
しかし、それは本当のさようならをやっとお互いに言えた瞬間だったのです
元気だして、行こうぜ!オッス!
夢をあきらめた野球少年の気合いです
店も移転することになるでしょう
やっと本当のスタートラインに立ったのです
名作です
その美しさはさておき、全く牧場とマッチしていないワンピースに驚く。
舞台は昭和50年代函館、貧しさがまだ厳然と存在していた時代なのかぁ、と。
停滞しているとはいえ今の日本の豊かさは、この作品の時代を越えて存在しているのだなぁ、と。
田中邦衛と健さんの戯れる様、愛しくて堪らない。大原麗子の体現する哀しさ、平田満演じる越智の思い。
どれも十分に堪能できました。